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soko.jpg色絵金銀彩葵神事図鉢_底

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19C中頃/江戸時代(1842-1862)
高(H)9.2 × 口径(WD)15.5 × 底径(BD)7.4 
色絵銘「鳴鳳」、箱書「葵神事図鉢/臨星楼/鳴鳳(焼印)佳品散人」
滋賀県立陶芸の森陶芸館/The Museum of Contemporary Ceramic Art, The Shigaraki Ceramic Cultural Park
湖東焼(Koto ware) 江戸時代後期から明治時代に、彦根藩領内で焼造された陶磁製品の総称で、藩窯時代には、朝廷や諸大名への贈答用など高級品が焼造された。窯や設備の拡充整備が進められ、京焼・九谷焼・瀬戸焼から、優れた陶工や絵付師を招くと同時に、京・大坂に売捌会所を設けて販売体制の強化がはかられた。井伊直弼の藩窯時代に最盛期を迎え、当時の文人趣味を反映した煎茶器を中心に数々の名品が焼造されている。桜田門外の変による井伊直弼の死とともに藩窯時代は幕を閉じた。

鳴鳳絵付「色絵金銀彩葵神図鉢」

本作は、京都の上賀茂神社と下賀茂神社の例祭「葵祭」の行列を描いた鉢。中国の文人趣味の意匠が多い鳴鳳の絵付けの中では、珍しい作例である。見込みの流鏑馬図(やぶさめず)は安永九(1780)年に刊行された京都の地誌『都名所図会』巻五の藤森神社の祭礼の挿絵からの引用であり、外側の祭礼図は一部に巻六の鴨下上皇太神宮の御社の項の葵祭の挿絵を反転させた情景と酷似している。